天むす

名古屋名物「天むす」の美味しいお店7選！発祥や特徴も紹介

名古屋名物として名をはせる「天むす」。しっかりと味付けされた海老天が入っているのが特徴で、食べれば海老の風味が口いっぱいに広がる人気のご当地グルメです。

名古屋市にはたくさんの天むす専門店があり、お土産としても人気があるので、地元民のみならず観光客からも名古屋めしとして高い人気を誇っています。

今回は愛知県民が愛してやまない「天むす」の絶対に行きたいお店を新旧合わせて7店ご紹介。天むすの特徴や歴史についても詳しく解説します。

名古屋で「天むす」を食べるならここ！おすすめ店7選

それでは早速名古屋の「天むす」おすすめ店を見ていきましょう。テイクアウト専門のお店からイートイン可能のお店、ほかの名古屋名物も一緒にいただける店舗なども紹介しています。

天むす 千寿 大須本店

まずは、天むす発祥の店「元祖めいふつ天むす千寿本店」からのれん分けした名古屋1号店「天むす 千寿 大須本店」をご紹介。天むすは注文後に握っていただけるため、ほかほかの状態で食べられます。

お持ち帰りがメインですが、イートインコーナーもあるので出来たてをその場でいただくことも可能です。

海老がごはんに隠れている「元祖めいふつ天むす千寿」の天むすとは異なり、こちらは海老が少し見えているスタイル。1980年の創業当時から受け継がれてきた味わいで、海老本来の味と食感がしっかり活かされています。

天むす 千寿 大須本店

4.5

147

• 天むす
• 名古屋市
• 上前津駅

地雷也 徳川本店

地下鉄桜通線「車道駅」から徒歩15分ほどにある「地雷也 徳川本店（名古屋本店）」では、コロンとしたサイズ感が可愛い天むすをテイクアウトできる専門店。店頭で注文を受けてから一つひとつ丁寧に握るので、手作りならではの味わいをできたてでお持ち帰りできます。

唐揚げのようにからっと揚げられた衣とぷりっとした海老の食感が絶妙。ご飯の塩加減もちょうどよく、いくつでも食べられてしまいそうです。

地雷也の天むすは名古屋だけにとどまらず全国的に人気のブランド。名古屋駅はもちろん、他県にもお店を展開している定番の天むす、ぜひ本店で本家本元の味わいを楽しんで。

地雷也 名古屋本店

4.0

65

• 天むす
• 名古屋市
• 車道駅

にぎりたて 大須万松寺通店

「にぎりたて」は愛知県内に多くの店舗を構えるおにぎり専門店。大須商店街にある万松寺通店ではイートイン席もあり、夕方までやっているのでランチや簡単な夜ご飯に握りたてをいただくこともできます。

ねぎみそや牛肉しぐれ、さば大葉などユニークでバラエティ豊富なメニューがそろいますが、ぜひあじわっていただきたいのはセット販売されている天むす。

福井産のお米を使用したご飯にしっかり味のついた天むす。刻み大葉の爽やかな風味がたまりません。きゃらぶきと交互に食べるとさっぱりといただけてなお◎です。

にぎりたて 大須万松寺通店

3.7

43

• 天むす
• 名古屋市
• 上前津駅

天むす屋 鬼天

大須商店街にある「天むす屋 鬼天」では、色とりどりの写真映え間違いなしの天むすが多数ラインナップ。アーケードの中にあるので、天候を気にせず食べ歩きを楽しむ際にも立ち寄りたいお店です。

天むすは数十種類以上から厳選してブレンドされたお米を使用。柔らかいごはんとサクサクの衣の相性がばっちりです。

定番の海老天以外にもきのこや野菜、梅干しといった変わり種おむすびも盛りだくさん。お出汁と一緒にいただくこともでき、ちょっとしたお茶漬けとして楽しむのもオススメです。

天むす屋 鬼天

3.4

80

• 天むす
• 名古屋市
• 大須観音駅

きしめん家 天むす比呂野

川名にある「きしめん家 天むす比呂野」では、鰹ベースの出汁つゆのもちもちきしめんだけでなく素材にこだわった天むすもいただけます。名古屋駅・栄エリアから少し離れますが、地下鉄でアクセス可能。

天むすは名古屋駅に昭和61年から天むす専門店を開店していた先代の味を再現しており、お米・海苔・えび天のすべてにこだわりが。口に入れると香ばしい青のりと塩味のきいた海老のうまみが一気に広がります。

セットでついてくる赤だしときゃらぶきが飽きさせないのもポイント。きゃらぶきで味変しながら、最後に赤だしでキリっとしめられます。

きしめん家 天むす比呂野

3.4

41

• 天むす
• 名古屋市
• 川名駅

ごちそう焼むすび おにまる

大須商店街にオープンした「ごちそう焼むすび おにまる」は、既存のおにぎりの概念を覆す進化系おにぎり専門店。炙りたらこ×カマンベール炙りポークたまごなどご褒美感がたまらないぜいたくなラインナップをそろえ、名古屋以外に東京や京都などにもお店を展開しています。

「おにまる」でいただける天むすは、小さな海老天がかわいらしくトッピングされた「味だれ海老天むす」。ルックスがいいのはもちろん、香味だれのコクとぷりぷりふわふわの海老天、そして厚焼き玉子の相性が最高。

ごちそう焼むすび おにまる 大須店

3.6

38

• 天むす
• 名古屋市
• 上前津駅

天むす処けしき. 名古屋本店

「天むす処けしき.」は、那古野地区・国際センターに2024年オープンした新鋭のお店。もともとコース料理の〆で提供されていた天むすが人気を博し、専門店としてオープンしたんです。

天むすは1個からでもオーダーができ、手羽先やきしめん、味噌煮込みうどんなどとセットでいただける定食も用意されています。

天むすには独自の処理が施された大きな海老が入っており、注文後に揚げられているためさくさく。しそが練り込まれたご飯と一緒にほおばると、爽やかかつ海老のうまみが広がる絶妙な味わいに。

テレビで紹介された「モーニング天むす」も人気。天むす1個を注文すると玉子入り赤だし、きゃらぶき、漬物がサービスされ、朝8:00から行列ができる日もありますよ。

天むす処けしき. 名古屋本店

4.1

4

• 天むす
• 名古屋市
• 国際センター駅

名古屋名物「天むす」5つの特徴

「天むす」とは、ただ単に「天ぷらが入ったおにぎり」ではありません。天むすに明確な定義があるわけではありませんが、これぞ天むす！という特徴があります。

愛知県内で食べられる天むすの多くが、下記のような特徴を満たしています。これら天むすの特徴について、これから解説します。

1. 基本は海老天
2. 食べやすいサイズ感
3. 冷めても美味しい
4. 付け合わせの「きゃらぶき」
5. 海苔の巻き方

①基本は海老天

天むすの基本的な具は、やはり海老天です。ご飯に包まれた海老天には、塩や醤油ベースの味がしっかりとついています。一般的なおにぎりと違い、ご飯には塩を振らないことが多いですね。

海老は一匹を丸々使用するのが特徴で、愛知県ではアカシャエビと総称される小さいサイズの海老がよく使われます。尻尾付きで真っ直ぐ揚げてあるものや、クルっと丸く揚げてあるもの、かき揚げになっているパターンなどがあります。

天むすのてっぺんから海老天がとび出しているタイプや、ご飯の中に隠れているタイプなど、店により見た目にも違いがあります。

②食べやすいサイズ感

初めて天むすを目にする人は、まずその小ささに驚きます。一般的なおにぎりと比べるとかなり小さく、その大きさはてまり寿司ほどのサイズです。

ご飯の量も少なく一口サイズなので、お箸や指先でつまんでパクパク食べられるのが特徴です。手軽に食べられるので、おやつなどの軽食にも最適。

5個入りや10個入りなど、まとめて販売しているほか、1個からでも購入が可能な場合があります。

③冷めても美味しい

天むすは冷めても美味しく食べられるので、差し入れやお土産としても人気です。作られてから時間がたつと、濃いめに付けられた天ぷらの味と海老の風味がご飯にしみこんで、より美味しくなります。

海老天の油分のおかげか、ご飯が冷めてもパサパサになりにくく、温めずに食べられるので差し入れやお土産にも喜ばれています。

もちろん温めても美味しく食べることができます。レンジで軽く温めるとご飯もふっくらして、さらに美味しくなります。

④付け合わせの「きゃらぶき」

天むすといえば、付け合わせに「きゃらぶき」が添えられているのが一般的です。「きゃらぶき」は、フキの茎を醤油できゃら色（＝濃い茶色）に煮て作る佃煮のような日本の伝統食です。

ほろ苦いフキの風味と、醤油と砂糖でつけられた甘辛い濃いめの味は、シンプルな味の天むすと良く合います。

天むすの考案者がきゃらぶきを添えた事がはじまりといわれていますが、今では天むすに欠かすことのできない添え物となっています。

⑤海苔の巻き方

一般的なおにぎりと違い、ご飯のてっぺんを残してお雛様のように巻かれた海苔も天むすの大きな特徴です。

天むすの老舗、元祖天むす千寿によると、1959年の皇太子殿下のご成婚の折、美智子様のストールの巻き方に着想を得て、この海苔の巻き方になったのだといいます。

そう言われてみれば、天むすが海苔を肩から羽織っているようにも見えます。天むすとともに、この海苔の巻き方を考案したのが「水谷ヨネ」さんという、三重県津市にある天ぷら屋のおかみさんです。

天むす発祥の地は名古屋じゃない？天むすの歴史

今では名古屋名物の天むすですが、その発祥は三重県だということをご存知でしょうか？天むすは、昭和30年頃に三重県津市の天ぷら定食店「千寿」で考案されたといわれています。

当時、食事をとる暇もなく忙しく働く夫のために、天ぷらをおにぎりの具にして手軽に食べられるまかないとして作られたのがはじまりです。

しばらくは常連向けの裏メニューとして提供されていた天むすでしたが、客の間で好評になり、昭和34年頃に「千寿」は天むす専門店となります。

天むすが名古屋名物になった歴史

三重県で生まれた天むすが、なぜ名古屋名物といわれるまでになったのでしょうか？1981年、名古屋市中区の藤森時計店が、新規事業として天むす専門店をはじめます。

開店にあたり、藤森さんは三重の「千寿」に赴き許可を請いますが、はじめは何度も断られたといいます。めげずに通う藤森さんに根負けした水谷夫妻から、天むすの作り方を伝授してもらい、天むすを広めないことを条件にのれん分けされました。

天むすが名古屋で大ブレイク

のれん分けにあたり「天むすを広めないこと」といわれていた「天むす千寿」は宣伝をせずに営業していたため、当初は客入りが悪かったといいます。

しかし、その味が口コミで広がり、さらにテレビで紹介されたことをきっかけに千寿は名古屋で人気の天むす店になりました。

愛知県民は昔からエビが好き

もともと愛知では、古くから「えびせんべい」など海老を使った商品が多くありました。今でも伊勢湾や三河湾では車海老をはじめ、たくさんの海老が獲れます。このことも関係し、実は愛知県の県魚は「クルマエビ」なんです。

東海地方ではどこでも天むすが買えるように

こうして、一昔前までは専門店でしか買うことのできなかった「天むす」は現在コンビニ、駅、空港、デパ地下、スーパーなどで手軽に手に入るようになりました。

ファーストフード感覚で小腹がすいたら天むすをつまむのは、東海地方独特の文化かもしれません。

名古屋で個性豊かな天むすの食べ比べ

名古屋に上陸してから40年ほどとその歴史はまだ新しいものの、今では名古屋名物として愛知県内外で親しまれている「天むす」。

一口に「天むす」と言っても、店によって味付けや見た目はさまざまです。小さいサイズの天むすは食べ比べに最適！名古屋の名店それぞれの味の違いを楽しんでください。