「高浜とりめし」は、愛知県南部に位置する人口4万6千人ほどの町・高浜市で昔から親しまれている郷土料理です。
甘辛く煮た鶏肉を炊き立ての白米と合わせたシンプルな混ぜご飯で、「鶏の旨味をしっかり感じられる」と人気を集めています。
「高浜とりめし」の特徴や歴史、おすすめ店などを詳しくご紹介します。地域に愛され続けている郷土料理に興味のある方や、高浜市を訪れる予定のある方は、ぜひチェックしてみてください。
目次
「高浜とりめし」とは?
愛知県高浜市で親しまれている「高浜とりめし」とは、意外にも歴史の長いご当地グルメです。
愛知県高浜市の郷土料理
「高浜とりめし」は、国内シェアの65%を占める「三州瓦」、県無形文化財の「吉浜細工人形」や「菊人形」で有名な愛知県高浜市の郷土料理です。
今から約100年前、日露戦争に従軍した加藤弥七という人がにわとりの孵化技術を持ち帰り、以降、高浜市では地場産業として卵の生産が盛んに行われてきました。それと同時に、卵を産まなくなった鶏を食べる文化が広まり、「高浜とりめし」が誕生したといわれています。
高浜市内には「高浜とりめし」を提供する飲食店だけでなく、三州瓦を使った町並み「鬼みち」や、吉浜細工人形や菊人形を見て回れる「人形小路」などがあり、グルメと観光をたっぷり楽しむことができます。
地元民に広く親しまれている
「高浜とりめし」の存在は地元民に広く親しまれています。高浜市民を対象にしたとある調査では、以下のような声が寄せられたと言います。
- 親戚が集まるときに作る
- 無料で白ご飯をとりめしに変更するサービスがある
- 学校の給食で食べていた
また、2010年には「とりめしでまちを盛り上げよう」をコンセプトにした「高浜とりめし学会」が発足高浜市内でとりめしを提供する飲食店の取りまとめ、メニュー開発、イベントなどの企画・運営を通じて「高浜とりめし」のPRを行っています。
このように、「高浜とりめし」は地域に深く根差した郷土料理といえるのです。
地区によってレシピはさまざま
一口に「高浜とりめし」といっても、レシピは地区によってさまざまです。鶏肉と油あげだけを入れたもの、鶏の内臓も入れたもの、にんじんやこんにゃくなどを入れたものなど、地区や家庭ごとにそれぞれのレシピが受け継がれています。
具沢山の混ぜごはんにして楽しむもよし、シンプルに鶏の旨味を堪能するもよし。好みに合わせていろんな味わい方ができるのも「高浜とりめし」の魅力です。
また、最近では白米に混ぜ込むだけで「高浜とりめし」を再現できる混ぜごはんの素なども販売されています。そういったものを活用して、手軽に郷土の味を楽しんでみるのもおすすめです。
「高浜とりめし」の特徴
次に、「高浜とりめし」の特徴について詳しく見ていきたいと思います。
鶏の栄養がたっぷり詰まった混ぜご飯
一般的にスーパーの精肉コーナーなどで売られている鶏肉は生後50日前後の若鶏のものです。それに対して「高浜とりめし」では具材に卵を産まなくなった成鶏の肉を使っています。
成鶏の肉は若鶏に比べて歯ごたえがあるのが特徴です。そのため「高浜とりめし」では肉を薄くスライスしてから、たまり・砂糖・鶏脂で炊き上げます。こうすることで、硬い肉にも味が良く沁み込み食べやすくなります。
最後に炊き上げた鶏肉を白米と混ぜ合わせれば「高浜とりめし」の出来上がり。手軽に作れて鶏の旨味もしっかり感じられるのが「高浜とりめし」の特徴です。
「卵を産まなくなった鶏」というと「若鶏に比べて味が落ちるのでは」と心配されるかもしれませんが、近年、成鶏の肉は地鶏に負けないくらい旨味が強いことでも注目を集めており、肉だんご・ハンバーグ・ハムなどの加工肉、ラーメン・スープなどの原料などにも多く活用されています。
また、鶏肉にはたんぱく質・ビタミンA・ビタミンBなどの栄養が豊富に含まれています。さらに、牛肉や豚肉に比べると低カロリーで、小さな子供から年配の方まで幅広い世代におすすめの食材です。
栄養満点の鶏肉をたっぷりと使った「高浜とりめし」は、ヘルシーフードとしてもおすすめのメニューと言えます。
バラエティ豊富な「高浜とりめし」が揃っている
高浜市内には「とりめし」を提供する飲食店も多く、さまざまな「高浜とりめし」を楽しむことができます。
昭和の頃から長きに渡り親しまれているスタンダードな「とりめし」だけでなく、オムライスやバーガーにアレンジしたメニューなど、店ごとに工夫を凝らしたメニューが揃っています。
また、「とりめし」の中に入っている具材もいろいろ。愛知県のブランド鶏・名古屋コーチンを贅沢に使ったものや、きんかん(鶏の卵巣)をトッピングしたもの、にんじん・こんにゃく・たけのこなど具だくさんのものなど、多彩なラインナップが用意されています。
いろいろな店の「とりめし」を食べ比べしてみるのも「高浜とりめし」の楽しみの一つですね。
おすすめ「高浜とりめし」の店
魚松 とりめし
魚松 とりめし
- 高浜とりめし
- 高浜市
- 吉浜駅
Shop information
- 店名
- 魚松 とりめし
- 住所
- 〒444-1331 愛知県高浜市屋敷町7-7-1
- 最寄駅
- 吉浜駅
- 電話番号
- 0566-53-0416
- 営業時間
- 9:00〜17:00 ※売り切れ次第終了
- 定休日
- 火曜・水曜日
情報は掲載時点の情報です。最新の情報は店舗へお尋ねください。
おおでんちこ
おおでんちこ
- 高浜とりめし
- 高浜市
- 三河高浜駅
Shop information
- 店名
- おおでんちこ
- 住所
- 〒444-1321 愛知県高浜市稗田町2-1-16
- 最寄駅
- 三河高浜駅
- 電話番号
- 0566-53-1761
- 営業時間
- 9:00〜13:30
- 定休日
- 木曜日
情報は掲載時点の情報です。最新の情報は店舗へお尋ねください。
おとうふ市場 大まめ蔵
おとうふ市場 大まめ蔵
- 高浜とりめし
- 高浜市
- 吉浜駅
Shop information
- 店名
- おとうふ市場 大まめ蔵
- 住所
- 〒444-1304 愛知県高浜市豊田町1-205-5 おとうふ市場 大まめ蔵2F
- 最寄駅
- 吉浜駅
- 電話番号
- 0566-52-0666
- 営業時間
- 9:00~16:00 ※ランチタイムは11:00~14:00(L.O.)
- 定休日
- 年末年始
情報は掲載時点の情報です。最新の情報は店舗へお尋ねください。
なかっち庵
なかっち庵
- 高浜とりめし
- 高浜市
- 高浜港駅
Shop information
- 店名
- なかっち庵
- 住所
- 〒444-1324 愛知県高浜市碧海町2-2-1
- 最寄駅
- 高浜港駅
- 電話番号
- 0566-52-7711
- 営業時間
- 11:30〜14:00 17:30〜20:00
- 定休日
- 月曜日の夜・火曜日
情報は掲載時点の情報です。最新の情報は店舗へお尋ねください。
栄養満点のご当地グルメ「高浜とりめし」を食べてみよう
ここまで、「高浜とりめし」について詳しく見てきました。
約100年前に、一人の人物がにわとりの孵化技術を持ち帰ったところから始まった卵の生産。そして、地域の産業とともに育まれてきた「とりめし」という食文化。「高浜とりめし」はこれらの歴史によって生み出された、高浜市ならではのご当地グルメです。
水を使わず、たまり・砂糖・鶏脂だけで炊きあげられた鶏肉と、鶏のだしがたっぷり沁み込んだ白米。そんな、シンプルだけど奥深い味わいが楽しめる「高浜とりめし」。高浜市を訪れた際には、ぜひ本場の「高浜とりめし」を味わってみてくださいね!