名古屋カレーうどん

名古屋名物「名古屋カレーうどん」の特徴・歴史・おすすめ店をご紹介

東海地方の中核都市・名古屋には、きしめん・ひつまぶし・天むす・味噌かつ・エビフライなど、さまざまな名物料理があります。今回ご紹介する「名古屋カレーうどん」は、そんな名古屋で愛される名物料理の一つです。

スパイスの効いた濃厚なルーに、極太でもちもちのうどんが絡んだ「名古屋カレーうどん」は、パンチの効いた料理を好む名古屋ならではのメニュー。味・ボリュームともに大満足の一杯です。

こちらでは「名古屋カレーうどん」の特徴や歴史、おすすめ店などを詳しくご紹介します。カレーうどん好きの方や、名古屋を訪れる予定のある方は、ぜひチェックしてみてください。

「名古屋カレーうどん」とは？

「名古屋カレーうどん」は一般的な「カレーうどん」とは異なる特徴を持つことでも知られています。

元祖「カレーうどん」誕生の歴史

日本に「カレーうどん」という料理が誕生したのは明治末期の頃です。東京都新宿区の早稲田で蕎麦屋「三朝庵」を営んでいた加藤朝治郎が、カレー店に奪われた客足を取り戻そうと考案したものが起源とされています。

三朝庵は、カレーうどんのほかに、カツ丼やカレー南蛮を創案した店としても有名です。早稲田大学創設者の大隈重信をはじめとして、早稲田大学に通う学生たちや、映画監督の山田洋次氏、漫画家の藤子不二雄A氏など数多くの著名人・有名人に愛されてきましたが、人手不足などを理由に2018年に惜しまれつつも閉店しました。

「名古屋カレーうどん」の特徴

「名古屋カレーうどん」には次のような特徴があります。

• スープは鶏ガラベースを基本に魚介類系のだしを加えて作る
• 何種類ものスパイスをブレンドして使用
• 麺は極太のうどん麺
• 主な具材は油揚げ、かまぼこ、豚肉、ネギなど

特に、本格カレーにも負けないスパイシーな味わいは「名古屋カレーうどん」の大きな特徴と言えるでしょう。

また、とろみづけに片栗粉ではなく小麦粉を使用することで、ポタージュ状のどろりとしたカレールーを生み出しているのも特徴の一つです。濃厚なルーは麺にからみやすく、一般的なカレーうどんに比べると、食べるときにスープが飛び散りにくいとされています。

「名古屋カレーうどん」はどのようにして生まれた？

「名古屋カレーうどん」が名古屋名物になった理由には、さまざまな説が存在します。ここでは、代表的な説をいくつかご紹介したいと思います。

「名古屋カレーうどん」の聖地・鯱乃家が発祥？

一つ目は、「名古屋カレーうどん」の聖地・鯱乃家が発祥とする説です。

鯱乃家は名古屋市北区にある、1976年創業のカレーうどん専門店です。独自の製法によるカレーうどんが名物となり、それを見た他のうどん店もカレーうどんに力を入れるようになったことから、名古屋市内に同メニューを看板商品とする店が増えていったとされています。

創業当時、鯱乃家は「若鯱家」という名前で営業をしていましたが、本店で働いていた従業員が創業者にさきがけて店名を商標登録したことで、現在の店名に変更を余儀なくされたいう経緯があります。店名を「鯱乃家」に変更したあとも、「本店　鯱乃家」の二階には「若鯱家」という看板が掲げられています。

なお、商標登録を行った従業員は、鯱乃家を退職したのち「若鯱家」をフランチャイズ化。現在では東海三県のみならず、関東地方にも進出を果たしています。

「オリエンタルカレー」のまかない説も

二つ目は、「オリエンタルカレー」のまかないが発祥とする説です。

オリエンタルカレーを販売する「株式会社オリエンタル」は愛知県稲沢市に本社を構える会社で、1945年に国内初の即席カレーを発売したことでも知られています。オリエンタルカレーの登場によって、全国の家庭にカレーが広まったと言っても過言ではありません。

発売当時、オリエンタルは即席カレーを広めるために、移動販売車を使って全国を回る営業を行っていました。忙しい日々のなか、従業員の昼食はうどんやそばで済ませることも多く、そんなとき、素うどんに即席カレーを溶け込ませるという食べ方が生み出されたそうです。そしてこれが「名古屋カレーうどん」の始まりになったともいわれています。

名古屋人はシメにカレーうどんを食べる？

飲んだあとのシメといえばラーメンが定番ですが、名古屋人の中には、シメにカレーうどんを食べる人もいます。

カレーのスパイスに使われるターメリックは別名ウコンと呼ばれ、肝臓機能の回復や健胃効果があります。つまり、シメにカレーうどんを食べるのは、二日酔い防止にも効果があるといえるのです。

なかでも、名古屋・錦の「うどん錦」は、深夜2時まで営業していることもあり、シメにカレーうどんを食べるという「名古屋ルール」を広めた店として知られています。

いろいろな種類の「名古屋カレーうどん」が楽しめる

名古屋市内では、いろいろな種類の「名古屋カレーうどん」を楽しむことができます。

スタンダードな「カレーうどん」はもちろんのこと、竹炭を使った「黒辛カレーうどん」や、「カレーつけ麺」「カレー煮込みうどん」、さらにはうどんの代わりに名古屋名物のきしめんを使った「カレーきしめん」など、店ごとに工夫を凝らしたメニューが味わえます。

スープの飛び散り対策にエプロンの貸出を行っている店も多いので、服の汚れが気になる人も安心して訪れることが可能です。

名古屋のおすすめの名古屋カレーうどん店

本店 鯱乃家

めん専門店 味良

五城

うどん 千

鯱市

手打うどん 錦

朝日屋

一久庵

カレーうどん 椛

手打めん処 三朝

人気の名古屋めし「名古屋カレーうどん」を食べてみよう

ここまで、「名古屋カレーうどん」について詳しく見てきました。

一般的なカレーうどんとはひと味違う、名古屋独自の進化を遂げた「名古屋カレーうどん」。老舗の味わいはもちろんのこと、店ごとに創意工夫を凝らした、オリジナリティあふれるメニューが楽しめるのも魅力の一つです。

極太のうどん麺に濃厚なカレースープが絡む味わいは、やみつきになる美味しさ！　昼食や夕食としても、飲んだあとのシメとしてもおすすめです。

名古屋を訪れた際には、ぜひ本場の「名古屋カレーうどん」を味わってみてください。