豊橋駅からほど近くに建つ、東へ東へと伸びる長いビル群。通称「水上ビル」
見た目から年季が入ったビルであることが伺えますが、このビルは一体どんな建物なのか…。気になる豊橋のレトロビルをイベントとともに調査してきました。
合わせて、ビルにある気になるお店や、豊橋駅で買えるお土産も特別調査してきました!
豊橋の気になるところてんこ盛りのレポートです。
目次
昭和〜令和を見守るレトロビルの歴史
豊橋駅より、徒歩5分弱。
東に向かい、約800mにもわたる”壁”と言っても差し支えなさそうな出で立ちのこのビル群は、「豊橋ビル」「大豊(だいほう)ビル」「大手ビル」の3つに分けることができ、そのルーツは戦後の闇市でした。
戦後復興期の土地開発で闇市が立ち退きの危機に瀕し、困った店主たちは農業用水路の「上」を活用するという奇抜なアイデアで自治体と交渉し、ついに暗渠化された水路の上に商店街を建てるという奇想天外なビルが誕生したのです!
水路の上に建つことから、「水上ビル」と呼ばれるようになりました。
懐かしさと新しさが同居する水上ビルの朝市を楽しむ
豊橋市の水上ビルでは、さまざまなイベントが開催されています。梅雨時期にアーケードを利用した「雨の日商店街」、アンティークばかりを集める「まちなかアンティークマーケット」など、イベント名だけでワクワクしてきますね。
その中には、毎月定期開催されているものに「水上ビル朝市」があります。
今回は、この水上ビル朝市にやってきました。
水上ビル群の西端、豊橋駅に一番近い「豊橋ビル」から、朝市がはじまります。豊橋ビルは、レンガ調タイルのビルです。側面には、水上ビル壁面アートとしてゾウの絵があるので、初めて来る方のいい目印になっています。
ビルにはアーケードが続いており、入口には色褪せて文字も薄くなった看板がかかっています。
昭和の雰囲気そのままのスナック、居酒屋、お好み焼き屋、八百屋に文具屋が軒をつらね、所々に新しく入居したであろう焙煎コーヒーのカフェや、セレクトショップ、古着屋も並びます。
調査員O
見上げるアーケードや、お店の作りに時代を感じます。
窓は木製の枠、タイル張りの壁面、サビの浮いたシャッターベース。居住区に上がる階段はもちろん急です。商店街には新旧が混在しており、店構えやビルのあれこれを見ながら歩くのも楽しみの一つです。
レトロさが新鮮!ビルのあちこちに注目してみましょう
そして、空いている場所を活用しブース出店が並びます。
調査員O
焼き菓子、アクセサリー、子供服、似顔絵に朝市らしく野菜などなど。多彩な出店ばかりです!
他にも食べ物系は、カレーやタイ料理・お弁当。日本茶やレモネードは、歩いて疲れた時の休憩タイムに良さそうでした。
どれもこれもこだわりのオンリーワンのアイテムばかり。つくり手とダイレクトにお話ができるので、そのアイテムの価値に納得してお買い物ができるのではないでしょうか?
そんなこだわりの詰まった朝市は、平日の月曜日にもかかわらず多くの人が行き交いとても賑わっていました。
つくり手の「こだわり」を聞いてみよう!
商店街コミュニケーションを楽しもう!
最初に声をかけたのは、漬物屋さんのブース。
「売りつけないので試食していってください」と、4種類(大葉大根、メロン、瓜、キムチ)も食べさせてもらっちゃいました。
試食を出すと、「白米が欲しいなー」という声が多かったとかで、雑穀米の小さなおにぎりまでくださいました!大盤振る舞い。
調査員O
大葉大根とキムチは問答無用で美味しかった!!
漬物を堪能し次にお話を伺ったのは、アクセサリーをつくっているという女性。
ご自身の商品の説明そっちのけで水上ビルの歴史やテナントの説明をしてくださいました。ブースの後ろの店舗は、現在は美容室になっているそうですが、元々はご飯屋さんだったそうです。
調査員O
店構えを見ると、和食とか定食屋さんだったのかな、という感じですね。
喫茶店の前では、「今から弾き語りのライブがあるから、よかったらきてね〜!」と店主の女性に元気に声をかけられたり、駄菓子問屋のおじさんからは包装や輸送費の高騰で駄菓子が値上げになっていることなどを教えてもらったり…。
(闇市からスタートした水上ビルは、問屋街だったこともあるそう。そのため、現在でも数件の駄菓子問屋や花火問屋が営業をつづけています)。
調査員O
テナントの方も、ブース出店の方も、どなたも気さくに話してくださいました。
昔はこんなふうに、お店の人と話しながらお買い物を楽しんだんだろうなと、今ではあまり体験できない市場や商店街でのお買い物体験ができるのも朝市の良さだなと感じました。
今は薄れてしまった人との繋がりを感じられる豊橋のレトロビル
壁のように無骨なビルには、「人」が繋いできたあたたかさのようなものがありました。
この建物にずっといる人、新しく入ってきた人。立ち寄るだけの私のような人。
その誰もが、それぞれになんとなくゆるっと繋がって会話する。人と人が近いなあと感じました。
豊橋の水上ビルは、人と人の繋がりの中で今日まで続いてきたのだろうなと思います。レトロな雰囲気が好きな人はもちろん、そうじゃない人もただぶらぶらするだけでもきっと楽しい「水上ビル」にぜひ遊びにきてくださいね。
水上ビル朝市の詳細
- 開催日時:毎月第一月曜日/10:00〜14:00
- 豊橋駅東口からの所要時間:徒歩5分弱
- 駐車場:近隣コインパーキング(豊橋駅最寄りパーク500が便利です)
- メイン会場:大豊ビル(emCAMPUSのまちなか広場の前あたりのビルです)
- 水上ビル朝市公式WEB
特別調査①水上ビル昭和ランチ「趣味のお好み焼き 伊勢路」
「趣味のお好み焼き」というネーミングがグッとくる、伊勢路さん。一目惚れした店構えです。
調査員O
水上ビルの豊橋駅に一番近い「豊橋ビル」にあります。
写真は実は裏口。でもちゃんとドアに「入口」とあるので、安心して入ってみてください。
「入口」と書かれたドアは、なにかに引っかかっていて開きにくいため、思い切り引っ張って開けましょう。すると、目の前に冷蔵庫の背中が現れます。冷蔵庫の左にある隙間から店内へ。
長年使われてきて湾曲した鉄板が2枚並ぶカウンターに座ります。カウンター正面には、味のあるメニュー表。
スペシャルにしようと注文すると、「普通の倍あって、具も6種類乗る」と店員さんに教えていただき、お腹と相談の結果今回は牛すじネギ焼き(和風)(税込990円)を注文。ランチには、ご飯が無料でつきます(今回はネギ焼きだけにしました)。
慣れた手つきで、鉄板で具材が焼かれ始めます。片面をじっくり焼くと、パタンと裏返し両面をしっかりと焼き上げます。
最後に、卵を割り広げその上に焼き上がったお好み焼きを乗せて裏返し、ソース、マヨネーズ、カラシ、鰹節をかけたらヘラで切り分け完成します!
ふわっとボリューミーなお好み焼きをいただきます!
ふわっとした生地と、シャキッとした食感のネギの風味が口の中いっぱいに広がります。カラシがマヨネーズとは別でかかっているので、カラシの味に強弱があるのが美味しい。塩味が強めなので、おかずにもお酒のお供にもピッタリな味付けです。
小ぶりに見えますが、お腹はいっぱいになります。男性のお客様は、ご飯も食べていました。男性には物足りないのかもしれません。
調査員O
水上ビルに来た際には、ぜひお立ち寄りいただきたいお店です!
情報は掲載時点の情報です。最新の情報は店舗へお尋ねください。
特別調査②豊橋駅で買えるお土産食べてみた
名古屋駅から豊橋駅までは電車で約1時間。電車でのちょっとした日帰り旅行感を手軽に味わえます。
水上ビルに遊びに来たついでに、そんな日帰り旅行気分を増してくれる豊橋駅で購入できるお土産をご紹介します!
もらったら嬉しい「ピレーネ」
豊橋駅ビル「カルミア」1階の店舗および、豊橋駅改札内の店舗で購入可能です。
豊橋ではお馴染みの、ふわふわスポンジにたっぷりのクリームが詰まったお菓子「ピレーネ」
今回は、「バニラ(定番)」「ブラックサンダー」「三ヶ日みかん(季節限定)」「ブルーベリー(季節限定)」を購入しました。
すぐに食べる場合は良いですが、持ち帰りに時間がかかる場合は保冷バッグの購入をおすすめします。
ど定番「バニラ(税込210円)」
クリームのミルク感がとっても強くて、美味しい!甘さもありますが、圧倒的なミルク感がふわふわのスポンジとよく合います。
豊橋コラボ「ブラックサンダー(税込290円)」
定番バニラに、砕いたブラックサンダーが入っています。ざっくざくした食感とビターなチョコ感が、バニラクリームにベストマッチ。これぞ豊橋な組み合わせです。
季節限定「三ヶ日みかん(税込245円)」と「ブルーベリー(税込250円)」
三ヶ日みかんは、爽やかなみかんの酸味をしっかりと感じます。甘さ控えめでくどさは一切ありません。みかんの果肉も入っていてジューシー!
ブルーベリーも、大きな果肉がゴロゴロ入っています。果肉がプチっと弾け、甘酸っぱい果汁とフワッと甘いクリームが合います。
安城とのコラボ「ブラックサンダー大あんまき」
豊橋駅ビル「カルミア」1階の店舗および、豊橋駅改札内のキオスクで購入可能です。
安城の名物「大あんまき」と豊橋のブラックサンダーがコラボした、「ブラックサンダー大あんまき4個入り(税込900円)」
もっちもっちの大あんまきの皮に包まれているのは、たっぷりのブラックサンダー。もっちりした皮と、ざくざく食感のブラックサンダー、濃厚なチョコの美味しさが波状的に攻めてくる一品です!
出張帰りはビールと一緒に「ヤマサの豆ちくわ」
豊橋駅ビル「カルミア」1階の店舗で購入可能です。
最後は、ヤマサの豆ちくわ「黒胡椒」と「うめしそ」(各税込324円)です。
一口サイズの可愛いちくわで、ポイポイ口に放り込んで食べられるのがとてもお手軽です。黒胡椒はしっかりとスパイシー、うめしそは大葉の香りが爽やかでした。どちらも、ビールのおつまみにぴったり!豊橋に出張に来た際には、帰りの新幹線でお疲れ様の一杯のお供に最適です。
番外編/老舗喫茶店のご当地パン「パピロ」
番外編として、ご当地パンをご紹介します!
豊橋駅東口より、徒歩5分。パンと喫茶店「ボン・千賀(せんが)」はあります。大正元年創業という老舗のお店です。店名のフォントや外観は、レトロさを醸し出しています。
豊橋駅東口より徒歩5分「ボン・千賀」で購入可能です。
そんなお店では、可愛いパッケージのパンが購入できます。その中から、「パピロ(税込144円)」を購入しました。
拳大のコッペパンの中には、バタークリームがたっぷりと挟まれています。パンはぎゅっと密な感じなので、バタークリームとのバランスが良いです。甘いクリームなので、子供のおやつにもおすすめ。懐かしい気分に浸れます。
レトロが詰まった「豊橋」は魅力いっぱいの町
新旧が混在する豊橋の水上ビルを今回はご紹介しました。
名古屋から乗り換えなしで1時間で着く便利な豊橋駅エリアは、新しさと懐かしさが同時に感じられる貴重な場所と感じました。レポートで何度か足を運んでいますが、訪れるたびに新しい発見がある「豊橋」。
一度ではちっとも足りない「豊橋」に、ぜひ何度でも訪れてみてください!