皆さんは「瀬戸焼」をご存じでしょうか。今では焼き物の総称となっている「せともの」の語源であり、陶磁器の代名詞とも言えますね。有田焼、美濃焼を合わせた日本最大焼き物の中でも最も古い1000年以上の歴史があります。
瀬戸市には、そのような本格的な瀬戸焼を数時間で作れる陶芸体験教室がいくつもあります。今回は愛知県に来たらぜひ立ち寄ってほしい!陶芸体験ができるおすすめの瀬戸焼の陶芸教室を10か所ご紹介します。ぜひ旅行の思い出作りの参考にしてください。
目次
そもそも「瀬戸焼」って?
瀬戸焼は、愛知県瀬戸市を中心に作られる焼き物の総称。
瀬戸の焼き物づくり平安時代から始まりました。当時は高級品でしたが、江戸時代には日用的な器も焼かれるようになり、「つくれないものはない」ともいわれる陶磁器の一大産地となりました。
調査員F
瀬戸の地名は、焼き物の産地を表す「陶所(すえどころ)」が転じたと言う説もあるほど、瀬戸には焼き物が根付いているんです。
陶器では国の伝統的工芸品「赤津焼」に代表される釉薬を駆使した装飾が特徴で、磁器は呉須と呼ばれる顔料を使った青色が美しい絵付が特徴。
調査員O
世界有数といわれる、白く焼き上がる良質で豊富な陶土が、絵付けが美しい焼き物を生み出している
瀬戸焼を体験できる場所は?10か所紹介!
瀬戸のまちには現在も多くの工房や窯元が集まっており、風情ある昔ながらの街並みを歩いたあとは陶芸体験に行きましょう!これから紹介する陶芸教室で、自分だけのお茶碗や器を作れば思い出になること間違いなしです。
- CONERU nendo shop&space
- オンリーワン陶芸教室
- 品野陶磁器センター陶芸教室
- 陶芸工房陶酔
- みのる陶苑
- 嶋田窯
- 陶芸教室創陶
- 愛知県陶磁美術館
- 五山楽窯房
- 飽津窯 宮地生成
CONERU nendo shop&space
一つ目の体験教室は、調査員が実際に現地に赴き、レポートしてきました!「陶芸をもっと身近に」 をテーマとするCONERU nendo shop & spaceは、誰でも身近に日常的に粘土に触れられる体験型陶芸ショップです。
「せと銀座通り商店街」で2020年にオープンしたお店は、とってもオシャレ。ここでは粘土や道具の販売に加えて、女性や子どもにも大人気の「ろくろを使わないカジュアルな陶芸体験」ができます。
いざ、陶芸体験レポート
体験プランは次の3つの中から選びます。プランによって、使える粘土の量が変わります。
- きほんのプラン:3,520円
- こだわりプラン:4,510円
- プレミアムプラン:6,930円
今回は、「こだわりプラン」を選択。好きな色の粘土を選んで、自分の創造性を発揮してお茶碗やマグカップなどを作ります。粘土の種類は、オーブン用と窯用を選べ、窯で焼くと完成まで1ヶ月程度かかりますが、オーブンで焼いたものは当日持って帰ることができます。
持ち物は不要で、ロゴ入りの可愛いエプロンをつけてスタート。しっかりと専門の先生にガイドしてもらえます。作りたいものに合わせて型が用意されているので、お子さまでも心配なく作れますよ!
体験中の様子は、無料で写真撮影をしてもらえます。
調査員O
確かに体験中は粘土が手についてしまうので、ありがたいですね!
じゃじゃ~ん!
先生のレクチャーはあるものの、自由度が高く自分の好きなものが作れちゃいます。カラフルな顔料で絵付けなどもできるため、世界に一つだけの作品ができますよ!
個人差がありますが、所要時間はおおよそ1時間〜2時間ほど。焼き上がりが待ち遠しい♪ぜひ、既製品を買うときは違った楽しみを体験してみてください!
CONERU nendo shop&spaceの基本情報
- 住所:瀬戸市朝日町28
- TEL:0561-57-1654
- 営業時間:10:00~17:00
- 定休日:水曜日
- 体験料金:体験により異なる
- 予約:要予約
オンリーワン陶芸教室
オンリーワン陶芸教室は、明治時代から様々なものを焼き、人々の日常に寄り添い続けた「加山窯」を窯元に持つ教室です。ろくろ体験、手びねり、絵付け体験など様々なコースが用意されており、初心者の方にも配慮した丁寧な指導が受けられます。
予約はネット予約で、公式HPまたはメールから。1人でも気楽に申し込むことができます!陶芸体験中の写真撮影も行ってもらえることも嬉しいですね。
オンリーワン陶芸教室の基本情報
- 住所:瀬戸市窯町296
- 営業時間:9:00-18:00
- 定休日:月曜日(祝日の場合は翌日)
- 体験料金:1200円~
- 予約:要【当日予約可、16:00受付終了】
- 公式HP:http://www.kazan-onlyone.com
品野陶磁器センター陶芸教室
品野陶芸器センター陶芸教室では、手びねりと電動ろくろを選んで自由に陶芸体験をすることが可能です。広々とした教室で、ゆったりと作品を作れる場所となっています。
道の駅「瀬戸しなの」や「レストラン敷島」が隣接しているため、芝生で休憩したり食事やお土産に時間を使ったりしながら一日を楽しむことができますね。
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調査員O
ここでは大人1名につき幼児1名の実習体験料が無料となります!自由研究のテーマにも使える、家族で訪れるのにぴったりの陶芸教室です。
品野陶磁器センター陶芸教室の基本情報
- 住所:瀬戸市品野町1-126-2
- 営業時間:9:00-17:00
- 定休日:年末年始以外は無休
- 体験料金:ろくろ、タタラ、手びねり 1,980円~ 絵付け 660円
- 予約:要【当日予約可、16:00受付終了】
- 公式HP:http://www.to-gei.jp
陶芸工房陶酔
お客さんの自由な発想やアイデアを大切にし、作るものには特に決まりを設けていない陶芸工房陶酔。
陶芸文化に気軽に触れてもらうことをモットーにしており、指導員のアドバイスを聴きながら、1時間ほどでのんびりと作陶体験に没頭することができます。気軽に土をいじって、気持ちを落ち着かせてみてはいかがでしょうか。
陶芸工房陶酔の基本情報
- 住所:瀬戸市一里塚町82
- TEL:0561-84-2624
- 営業時間:10:00-17:00
- 定休日:不定休
- 体験料金:2,500円~
- 予約:要【前日まで】
みのる陶苑
みのる陶苑はオーダーメイドの作品を制作している陶芸工房。愛・地球博でも5面大陶壁を手がけ活躍した作家、寺田稔と寺田聡による陶芸体験指導が受けられます。
プロにしっかりと横についてもらい、陶芸の基本「手びねり」の神髄を学んでみては?
- 住所:瀬戸市小空町213-16
- TEL:0561-82-1274
- 営業時間:9:00~17:00
- 定休日:不定休
- 体験料金:6,000円~
- 予約:要【3日前まで】
嶋田窯
嶋田窯は伝統が息づく瀬戸焼の技術を丁寧に肌で感じることができる教室です。
鎌倉時代から伝わる天目茶碗という茶道で使われる焼き物の作家から陶芸を教わることができます。
調査員F
天目茶碗は、今では特別な作法に用いられますが、千利休の時代には基本の茶碗だったそう!
体験ではろくろを使って丁寧な指導を受け1時間ほどで器を作ります。最後にプロが仕上げをすることで、初心者とは思えないクオリティの作品が出来上がります。
料金は少人数コースで3500円。指導してもらいたい方におすすめです。
嶋田窯の基本情報
- 住所:瀬戸市品野町4-395-1
- TEL:090-3569-1785
- 営業時間:10:00~15:00
- 定休日:不定休
- 体験料金:3500円~
陶芸教室創陶の基本情報
瀬戸尾張駅から徒歩10分というアクセスの良い陶芸教室、陶芸教室創陶。湯呑や茶碗の手作り体験は1000円から、絵付けは500円から可能で、リーズナブルに瀬戸焼作りを体験したいという方にぴったりです。
予約は電話のみとなっていますが、その際に「ホームページを見た」と話すと来場時に粗品をいただくことができますので、お問い合わせ時にはお忘れなく。
陶芸教室創陶
- 住所:瀬戸市宮里町28
- TEL:0561-82-6511
- 営業時間:10:00~16:00(予約すればこの時間以外もOK)
- 定休日:無休(年末年始のみ休)
- 体験料金:お茶碗・湯飲み1000円~ 絵付け500円~
- 予約:不要
愛知県陶磁美術館
1978年の開館から焼き物の魅力を展覧会や陶芸体験などの催事を通じて紹介してきた「愛知県陶磁美術館」。陶芸体験のみならず、陶磁器を中心に、焼き物全般の魅力を伝える活動を続けています。
「陶芸館」ではスタッフの指導のもと、手回しろくろを使って粘土1kgにつき890円で陶芸体験ができます。混雑していなければ予約なしでの体験も可能。
引用:陶芸館は、2023年6月19日(月)から2024年10月31日(木)まで休館中です。この期間にも出張イベントなどが行われていますが、陶芸体験に参加できるのは来年以降となります。ご注意ください。
愛知県陶磁美術館の基本情報
- 住所:瀬戸市南山口町234
- 営業時間:9:30-16:30(入館は16:00まで)【7月~9月】9:30-17:00(入館は16:30まで)
【体験の受付】14:30まで - 定休日:月曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始
- 体験料金:950円~
- 予約:要【前日まで】
- 公式HP:http://www.pref.aichi.jp/touji/
五山 楽窯房
瀬戸、窯垣の小径を登っていった先の、自然豊かな場所にある五山楽窯房。陶芸家・加藤五山の技法を現代の生活様式に活かした作品作りを行っています。
施設内には50名まで同時に作陶できる部屋があり、ろくろや手びねりによる陶芸体験ができます。
五山 楽窯房の基本情報
- 住所:瀬戸市仲洞町80
- 営業時間:10:00-16:00
- 定休日:月・火曜日、不定休
- 体験料金:4,500円~
- 予約:要【当時予約可・受付15:00まで】
- 公式HP:http://rakuyoubou.jp/
飽津窯 宮地生成
飽津窯 宮地生成は、瀬戸市赤津地区に位置し、今は残り少なくなった赤津瓦の屋根を持つ、ぬくもりあふれるギャラリーです。動物などをモチーフにした作品が並ぶ窯で、窯主本人によって丁寧な陶芸指導が受けられます。
ここではタタラ作りと呼ばれる、変わった形の器を作ることができる技法も体験できますよ。
飽津窯 宮地生成の基本情報
- 住所:瀬戸市赤津町22
- TEL:0561-82-6803
- 営業時間:10:00-16:00
- 定休日:不定休
- 体験料金:3,000円~
- 予約:要【2日前まで】
瀬戸焼に興味を持ったらこちらもおすすめ!瀬戸焼にふれられるスポット3選
せっかく瀬戸焼の陶芸体験に行くなら、瀬戸焼にふれられる他のスポットにも行ってみたい!という方には、以下のスポットもおすすめです。いずれも瀬戸市内にあり、体験のついでに立ち寄れる場所なので、おでかけの参考にどうぞ。
- 瀬戸蔵ミュージアム
- 瀬戸市美術館
- 窯垣の小径
瀬戸蔵ミュージアム
「せと・まるっとミュージアム」と題し市全体を博物館や美術館に見立てたまちづくりを推進している瀬戸市。その拠点施設となる「瀬戸蔵」の2階にある博物館が「瀬戸蔵ミュージアム」です。
せともの屋など、瀬戸焼が盛んに作られていた時代の町を再現している観光スポット。レトロな雰囲気を味わったら、もうひとつ階段を上がり3万年にもわたる瀬戸焼の歴史を学んでみましょう。
瀬戸蔵ミュージアムの基本情報
- 住所:瀬戸市蔵所町1−1
- 営業時間:9:00-17:00(入館は16:30まで)
- 定休日:月1回程度の臨時休館、年末年始(12/28〜1/4)
- 料金:一般520円、高校・大学生・65歳以上310円、中学生以下無料 ※20名以上の団体は割引あり
- 公式HP:http://www.city.seto.aichi.jp/docs/2011031500092
瀬戸市美術館
瀬戸市文化センター内部にある瀬戸市美術館。陶磁器に加えて絵画、彫刻等美術作品全般の展示を行っています。常設展では優美な絵付けを施した瀬戸焼の作品を見ることができます。
ほかにも地元作家を中心とする様々な企画展などが開催されており、瀬戸の文化に触れられる場所となっています。
瀬戸市美術館の基本情報
- 住所:瀬戸市西茨町113-3
- 営業時間:9:00-17:00(入館は16:30まで)
- 定休日:年末年始、毎月1回施設点検等のため休館日あり
- 料金:大人100円、中学生以下、心身障害者、妊婦、65歳以上の方は無料
※特別展開催中は入館料が異なります ※20名以上の団体方は2割引 - 公式HP:http://www.city.seto.aichi.jp/docs/2011031600068/
窯垣の小径
瀬戸のやきものの歴史を深く味わえるのが「窯垣の小径」。雰囲気のあるスポットで、カップルで、友達とのおでかけにぴったりです。
調査員F
そもそも「窯垣」って?
調査員O
「窯垣」は焼き物を焼くために用いた窯道具の廃材を用いた塀や石垣のことで、かつて焼き物を運ぶために窯垣でできた道が使われていたそうですよ!
小径を行くと「窯垣の小径資料館」が現れ、地域の歴史や文化にふれることができます。週着点付近には、日本六古窯に数えられ、磁器生産が主流になっていく中で陶器の手作りにこだわった「瀬戸本業窯」があります。使いやすさと美しさを兼ね備えた瀬戸焼の伝統を手に取って感じることができます。
情報は掲載時点の情報です。最新の情報は店舗へお尋ねください。
やきもののまち瀬戸で陶芸づくりを体験しよう!
いかがでしたでしょうか。今回は愛知県瀬戸市の代名詞・瀬戸焼の陶芸体験ができる教室をご紹介してきました。陶芸体験は日常から離れた空間で、自分だけの焼き物を作れるのが魅力。日頃使わない神経を使って、気分もリフレッシュできること間違いなしです。
現在でも川沿いには焼き物屋がずらりと並び、あちこちに焼き物の伝統が息づくまち瀬戸で、焼き上がりが待ち遠しい自分だけの「せともの」を作ってみませんか。