瀬戸焼きそば

瀬戸市の名物ご当地グルメ「瀬戸焼きそば」の特徴・歴史・おすすめ店をご紹介

「瀬戸焼きそば」は、愛知県尾張北東部に位置する人口12万6千人ほどの町・瀬戸市で親しまれているご当地グルメです。

しっかり蒸した麺に甘辛のタレが絡み、シンプルな具材がその味を引き立てる「瀬戸焼きそば」は、瀬戸市を代表する名物料理として人気を集めています。

「瀬戸焼きそば」の特徴や歴史、おすすめ店などを詳しくご紹介します。地域に親しまれているご当地グルメに興味のある方や、瀬戸市を訪れる予定のある方は、ぜひチェックしてみてください。

「瀬戸焼きそば」とは？

愛知県瀬戸市で親しまれているご当地グルメ「瀬戸焼きそば」。実は意外と歴史があり、地域に根付いたエピソードもあります。

愛知県瀬戸市のご当地グルメ

「瀬戸焼きそば」は、日本有数の陶磁器「瀬戸焼」の生産地として知られる愛知県瀬戸市のご当地グルメです。

日本が高度成長期に差し掛かった昭和30年代、陶磁器産業の隆盛はピークに達していました。瀬戸焼に携わる職人たちはとても忙しく、休みも取れないような状況だったそうです。

その中で、瀬戸の総鎮守・産土神（うぶすながみ）である「深川神社」の参道で売られていた焼きそばが、職人たちの間で人気となりました。手軽に食べることができ、塩分や栄養補給もできるメニューとして盛んに食べられるようになったこの焼きそばこそが「瀬戸焼きそば」の始まりと言われています。

やがて、市民の間にも焼きそばの美味しさが広まり、ご当地グルメとして多くの人々に親しまれるようにまでなっていきました。

「瀬戸焼きそば」を推進する「瀬戸焼きそばアカデミー」

「瀬戸焼きそばアカデミー」は、「瀬戸焼」と「瀬戸焼きそば」の文化を通じて瀬戸市の名を全国に広め、地域のイメージ向上や活性化を促すことを目的として、平成2年12月に発足した団体です。瀬戸市の名産品である「瀬戸焼」とのコラボレーションなどさまざまなプロモーションを通じて、「瀬戸焼きそば」の推進活動を行っています。

昭和7年の初開催以来90年以上に渡って続く瀬戸市を代表するイベント「せともの祭」の会場でも「瀬戸焼きそば」をふるまうなど、その活動は多岐に渡ります。

こうした団体が存在することからも、「瀬戸焼きそば」が瀬戸市のご当地グルメとして熱く支持されていることがよく分かります。

「瀬戸焼きそば」の特徴

焼きそばというと、ソース焼きそばや塩焼きそばが一般的ですが「瀬戸焼きそば」とはどんな味の焼きそばなのでしょうか。ここでは「瀬戸焼きそば」の特徴について詳しく見ていきます。

蒸し麺を使った醤油味の「焼きそば」

「瀬戸焼きそば」には次の4つのルールがあります。

• 麺は「蒸し麺」を使用する
• 味付けは「豚の煮汁」や「醤油ベースのタレ」を使用する
• 具材は「豚肉」と「キャベツ」が主体
• せともの（瀬戸焼）の器を使用する（お持ち帰りは除く）

この条件を満たすものだけが「瀬戸焼きそば」と名乗ることができます。

「瀬戸焼きそば」に使われる麺は普通の焼きそばに比べると茶色っぽい色をしています。このため、ぱっと見はソース焼きそばのような印象を受けるのですが、実際に食べてみると味はまったく異なります。

豚の煮汁と醤油ベースのタレを使った甘辛い味付けはさっぱりとしながらもコクがあり、一度食べるとやみつきになる美味しさです。

さらに、蒸し麺がタレの味をよく吸収し、旨味のある味わいに仕上がっています。

市内ではさまざまな「瀬戸焼きそば」が食べられる

「瀬戸焼きそば」は、出来たてはもちろんのこと冷めても美味しく食べられる点が特徴です。そのため、市内にはイートインだけでなく、テイクアウトが可能な「瀬戸焼きそば」のお店がたくさんあります。

「瀬戸焼きそば」を名乗るための4つのルールは守りながらも、お店によって具材や調味料に変化をつけるなど、さまざまなメニューを楽しむことができます。

さらに、イートインの場合は提供に瀬戸物の器が使われるなど、味はもちろんのこと、見た目も堪能できるのが「瀬戸焼きそば」の魅力です。いろいろなお店を食べ歩きして、自分の好みにマッチした「瀬戸焼きそば」を見つけてみるのも楽しいですね。

瀬戸市おすすめの「瀬戸焼きそば」店

七福堂

りえの焼きそばチントンシャン～ぱんだ屋～

極うま！瀬戸市の「瀬戸焼そば」を食べてみよう

ここまで、「瀬戸焼きそば」について詳しく見てきました。

焼き物の街・瀬戸市で生まれた「瀬戸焼きそば」は、街の歴史とも関係の深いこの土地ならではのご当地グルメです。香ばしく蒸しあげられたモチモチの麺とコクのある醤油ダレ、そして提供に使われる美しい「せともの」の器。

瀬戸市を訪れた際には、瀬戸の歴史や文化が感じられる「瀬戸焼きそば」をぜひ味わってみてください。