あんかけスパゲティ

名古屋名物「あんかけスパ」の特徴・歴史・おすすめ店をご紹介

名古屋グルメの「あんかけスパゲティ」。「あんかけスパ」や「あんかけパスタ」とも呼ばれます。

愛知県内では、専門店が多数存在する人気のご当地グルメです。歴史は1980年代からありながら、広まり、人気が出たのは2000年代。食べたことがない方にとっては、味の想像が付かないかもしれませんが、一度食べると「なんだかハマってしまう」という声が多いです。

中毒性とも言えるその味のルーツは、実は洋食なんです。

こちらでは「あんかけスパゲティ」の特徴、歴史、誕生の過程などを深掘りしていきます。

名古屋名物「あんかけスパゲッティ」の特徴

「あんかけスパゲティ」は、あらかじめ茹で置きをした極太のスパゲティをラードや植物油などで炒め、粘性とコクのある辛みの効いたソースをかけた料理です。具材はウインナー（ソーセージ、もしくは赤ウインナー）、玉ねぎ、ピーマンが一般的とされています。

あんかけスパゲティのソースはコショウ（黒胡椒）の効いたスパイシーなソースで、名古屋の人々が好む濃いめでしっかりとした味付けが大きな特徴です。

味のベースはトマト味ですが、ミートソースを改良して作られたと言われており、濃厚で奥深い味となっています。

通常のスパゲティとの違いは何？

あんかけスパゲティは極太2.2mmのスパゲティを茹で置きし、それをラードや植物油で炒めているのに対して、よくある通常のスパゲティ（パスタ）は茹でた麺をそのままソースに絡めています。まず、この点があんかけスパゲティと、通常のスパゲティの違いです。

また、あんかけスパゲティのソースは中華料理によくある餡のようにとろみがあることも通常のスパゲティとは異なる点と言えるでしょう。

飽きがこない豊富なバリエーション

あんかけスパゲティは、その豊富なバリエーションも魅力的です。定番のあんかけスパゲティから、多くの具材をトッピングしたボリューミーなあんかけスパゲティまで様々なメニューが提供されています。

あんかけスパゲティの種類（例）

• ミラカン・・・ウインナー、ハム、ベーコン、オニオン、ピーマン、マッシュルームがトッピングされた王道の味
• ミラネーゼ（ミラネーズ）・・・ベーコンやウインナーなどの肉類をトッピング
• カントリー・・・炒めた野菜をトッピング
• バイキング・・・海老フライやカキフライなどの魚介類のフライをトッピング
• ポパイ・・・ほうれん草、ベーコン、ウインナーをトッピング
• ボンゴレ・・・アサリ、オニオン、ピーマン、マッシュルームをトッピング
• ピカタ・・・豚肉の黄金焼きをトッピング
• トンスパ・・・豚カツをトッピング
• ミートボール・・・ミニハンバーグや、玉子をトッピング
• トリカラ・・・鶏の唐揚げをトッピング

肉と野菜の両方がトッピングされた「ミラカン」は、「ミラネーゼ（ミラネーズ）」と「カントリー」の頭文字を足して付けられたネーミングだそうです。あんかけスパゲティでは、最もメジャーでよく見る王道です。

上記以外にもバラエティに富んだメニューが各店舗で味わえるため、飽きずに毎回違ったあんかけスパゲッティを楽しむことができます。

あんかけスパゲティの誕生ヒストリー

あんかけスパゲティの元祖とされているお店は、「スパゲッティ・ハウス ヨコイ」です。この「ヨコイ」の創業者が’’日本にイタリア料理を広めたい’’と思い立ち、その研究を始めたことが「あんかけスパゲティ」の始まりだと言われています。

ここから詳しい誕生ヒストリーをお伝えさせていただきます。

イタリア料理を日本に根付かせたい！試行錯誤の日々

ヨコイの創業者は、1959年頃に丸栄ホテル（名古屋国際ホテル）で洋食部門のシェフをしていた頃に、’’自分が愛するイタリア料理が、どうすれば日本に根付くのか。中でも、うどんのイメージが近く、日本人が馴染みやすいと思われるスパゲティを広めるにはどうしたらよいか’’と悩んでいたそうです。

そんな中、彼はイタリアパスタの定番であるミートソースと、得意であった洋食のデミグラスソースをアレンジすることを考えたといいます。完成イメージが、ミートソースとデミグラスソースが持つ肉と野菜の旨味を凝縮した濃厚な味わいとしつつも、イタリア料理のエッセンスを日本人に馴染みやすくするべく何度も試行錯誤を繰り返したそうです。

調合やスパイスなどはもちろん、麺についても、もちもちした食感を出すためにイタリアでは使用しない強力粉を加えてみたり、太さを変えた試食品を食べ続け、結果的に2.2mmの麺を使用することになったと言います。

試行錯誤の連続の末、納得のいく味にたどり着くまでに2年の月日が流れていたそうです。こうして、「あんかけスパゲティ」が誕生しました。

あんかけスパゲティが名古屋で広まるまで

「あんかけスパゲティ」は誕生後にも、その名が広がるまでのヒストリーがあります。彼はあんかけスパゲティの開発成功後、親類との共同出資で1961年に名古屋市東区に「そーれ」を開業。その後、1963年には彼自身のお店である「スパゲッティ・ハウス ヨコイ」を開業しました。

当初は洋食店としてピザなどをはじめとした、様々な洋食のメニューも提供されていました。あんかけスパゲティは「こんな料理は食べたことがない」と言われ、人々にすぐには受け入れてもらえなかったそうです。

そのため、最も食べて欲しいあんかけスパゲティのオーダーが入ることは少なかったといいます。

しかしその後、彼の人脈や人との輪を広げていく信条などにより、あんかけスパゲティの噂が少しずつ広がってきました。マスコミの目にもとまり、様々なメディアで取り上げられるようになっていきました。このようにして、名古屋であんかけスパゲティが広まっていったのです。

全国的に認知が広がったのは2005年に開催された万博「愛・地球博」がきっかけと言われています。

多くの人々に愛される名古屋めしに！

現在では、愛知県内に多くの専門店があり、お店によっては喫茶店などでも味わうことができます。また、あんかけスパゲティのソースやスパゲティなどがスーパーやオンラインショップで販売されていることから、ご自宅でも気軽に本場の味を楽しむことができるようになりました。

「あんかけスパゲティ」が美味しい！おすすめ店

そ〜れ あんかけスパ総本店

CAFE TANAKA 本店

からめ亭

スパゲッティ・ハウス ヨコイ

あんかけ太郎

ユウゼン 総本店

スパゲティハウスチャオ

スパゲッティハウス シェフ

パスタ・デ・ココ 中区丸の内一丁目店

名古屋グルメ代表の「あんかけスパゲティ」を食べてみよう

今回ご紹介させていただいた通り、あんかけスパゲティには飽きの来ないメニューが豊富に揃っています。既に食べたことがある方も、様々なメニューを味わってみたり、全メニューを制覇してみるのも楽しいかもしれません！