2020年にツイッター(現X)でバズった愛知県の偏見地図で、奥三河は「一面のみどり」と表現されていました。確かに山深く、みどり豊かなエリアであることに異論はありません。

調査員O

しかし、みどり(山林)以外に本当になにもないのか…?

今回の道の駅調査は、そんな一面のみどりが支配する「奥三河最深部」が、実際のところはどうなのかを道の駅をめぐりながら調査します。

紅葉も終わり、冬支度が進む山間部。奥三河最深部の道の駅グルメお土産も紹介していきます。

一面の緑だけじゃない、ディープな奥三河の旅を一緒に楽しみましょう。

目次

奥三河道の駅①「豊根グリーンポート宮嶋(豊根村)」

小雨が降る中、豊根グリーンポート宮嶋に到着

愛知最高峰である茶臼山を有する豊根村は、実に面積の9割以上が山。まさに一面の緑なのです。また、愛知県で最も人口の少ない自治体でもあります。

名古屋から一路、長野や静岡と県境を接する「豊根村」へ。新東名高速を使い2時間半(!)をかけて到着しました。

調査員O

奥三河にはダムもいっぱいあるので、道の駅に行きがてらダムカードを集めるのも楽しい!

宇連ダムと大島ダムカードをもらいました(宇連ダムにて撮影)
豊根グリーンポート宮嶋からさらに東に位置する「新豊根ダム」ダムカード ※現在は配布されていません

豊根グリーンポート宮嶋の設備など

本日ひとつめの道の駅「豊根グリーンポート宮嶋」は、2023年で30周年を迎えました。

緑のテントの奥が物販入口

1990年に愛知県ではじめて道の駅として認定されたこちらは2015年にリニューアルされており、トイレ・休憩所・特産物販売所にレストランと、道の駅のベーシックな設備に加え簡易郵便局も併設されています。

トイレにも空調が効いているので、冬の寒い時期にも快適!

調査員O

リニューアルから8年経っていますが、まだまだきれいで気持ちよく過ごせる道の駅です!

正面入口を入ると、手前に観光案内所があり、その奥にレストランがあります。観光案内所では、スタッフの方が親切に観光情報をおすすめしてくれます。

調査員F

しっかりと限定のスタンプと道の駅カード、道の駅切符もゲット!道の駅の醍醐味です。
スタンプははりきって押す向きを間違えてしまいました。

観光案内所のカウンターの横の階段を上がると、青空テラスがあります。今回は雨だったため、出るのは断念してレストランで腹ごしらえをすることに。

飲食コーナー「山のレストラン ふるさと」でロイヤルフィッシュ(チョウザメ)をいただく

地元の方もご飯やお茶に来ている様子の「山のレストラン ふるさと」

水源地として水資源が豊富にある豊根村では、天然水にこだわった「チョウザメ」の養殖が行われています。王侯貴族の食べ物であったことから「ロイヤルフィッシュ」と名付け、いくつかの店舗でチョウザメ料理が提供されています。

調査員O

「チョウザメ」はなんと村の人口以上の数を養殖中!!

チョウザメをちょっとご説明

”サメ”と名前についていますが、チョウザメはサメではなく古代魚の一種(シーラカンスなど)海ではなく河川に生息し、肝臓があるので老廃物が排出されるため肉は臭みがなく淡白な味。また、高級食材のキャビアはチョウザメの卵の塩漬けになります。

https://intojapanwaraku.com/rock/gourmet-rock/89987/

今回は観光案内所の奥の山のレストランふるさとで、ここでしか食べられない「チョウザメ」料理をいただきました。

レストランの入口には、お店のお母さんたちの手作りの食品サンプルぬいぐるみ(?)でメニューが表現されています。このレストランはメニュー開発から地元のお母さんたちが行っており、地元愛にあふれたグルメがいただけるんです。

調査員F

先払いシステムなので、入り口でまずは注文。現金とpaypayが使用できます。水や手拭きはセルフになっているので、自分で持ってきましょう。

今回は、チョウザメを使った「ザメ重」と、新豊根ダムにちなんだ「道の駅ダムカレー」を注文し、席について待ちます。

道の駅ダムカレー(1,100円/税込)

新豊根ダムの湾曲した形を再現

待つこと10分足らずで、まずはダムカレーが到着。

スタッフの方が、テーブルにカレーを置きながら素揚げにされた野菜はすべて豊根村で採れたものを使用していることを教えてくださいました。

調査員O

「グリーン」ポート宮嶋、ということでルーは本格グリーンカレー。

辛味が強いので、苦手な方は普通のカレーでも提供してくれます。青唐辛子のシャープな辛さが小気味いいカレーと、素揚げで甘味がしっかりと引き立った野菜がとても美味しかったです。

ザメ重(2,800円/税込)

蒲焼風の味付けでした

カレー到着から待つこと数分、チョウザメのお重がやってきました。チョウザメのツミレが2つに、チョウザメを揚げ甘辛い蒲焼のタレにつけたものが2枚ご飯に乗っています。

ツミレは、チョウザメの軟骨や内臓と豊根の野菜を使って作っているとのこと。豊根のチョウザメは、水が綺麗なところで養殖されているので全部どこをとっても臭みがなく食べやすいと教えてくださいました。

調査員F

サメってクセのあるイメージがありましたが、淡白でふわふわしていて、美味しい白身魚という印象。特製の甘酢たれもさっぱりしていて美味しい!

食後はコーヒーもセットでいただけます

目移りしてしまう特産品売り場

物産品売り場では、豊根の特産品はもちろん奥三河のお土産や県を接している長野のお土産もありました。

種類豊富な特産品の中から、今回はご飯のお供にぴったりそうな「ふきのとうさん ふき味噌(辛口)」を購入。ちなみに、ふきのかかさまもありますがこちらは甘口らしいです。

ふきのとうさん(500円/税込)

ふきのとうの苦味がしっかりと残り、辛味も強め。かなり大人な味になっています。白米に乗せていただきましたが、少しの量で米が進みます!ほんのりとふきのとうの香りが残りました。

小さな瓶なのでかさばらないため、お土産にもおすすめですよ♪

豊根グリーンポート宮嶋 基本情報

  • 住所/愛知県北設楽郡豊根村坂宇場字宮ノ嶋29-3
  • 営業時間/9:00〜17:00
  • 定休日/水曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始(12/31〜1/1)
  • トイレ/男子6・女子6(多目的トイレあり)
  • 授乳室/なし
  • 無線LAN/あり
  • EV充電/あり
  • 無料休憩所/あり
  • お土産・売店/あり
  • レストラン/あり(山のレストランふるさと)

奥三河道の駅②「つぐ高原グリーンパーク(設楽町)」

豊根でしっかりとお腹を満たし出発。豊根村をあとにし、約30分で次の目的地である設楽町の「つぐ高原グリーンパーク」に到着しました。標高900mのつぐ高原には、街明かり届きにくいため星空の観察に最適として愛知の星空聖地になっています。

訪れたのは晩秋だったため、キャンプの賑わいもなくひっそりとしていましたが、道の駅は営業中!

早速、店内に入ってみましょう。

つぐ高原グリーンパークの設備など

きれいにスタンプできました

売店・物販の建物とその入口横にトイレがあります。トイレは古さは感じますが、きれいに清掃されていました。

入口手前に電話ボックスのようなスペースには、道の駅スタンプが。入るとすぐに情報コーナーがあり、奥三河や周辺のさまざまなパンフレットやリーフレットが入手できます。

アウトドアコーナー充実!キャンプ利用客に嬉しい道の駅

充実のアウトドアグッズが揃います

道の駅つぐ高原グリーンパークは、キャンプ場に併設されていることもあり、キャンプ用品やキャンプですぐに調理できそうなものも販売されています。

山深い奥三河ならでは、鹿や猪といったジビエのお肉も冷凍庫に並びます。

調査員O

鹿を使ったジャーキーは、噛むと味が染み出て美味しい!

売店の客席は無料開放中

調査員F

売店は、12月〜3月まではお休み中でしたが、休憩スペースとして開放されていました。

営業時は、地元のお店のお弁当やコーヒー専門店が提供するハンドドリップコーヒー、ソフトクリームなどの提供(土日、連休のみ)がされているようです。

選べるトマトジュースに地元特産品も並ぶ物販エリア

ズラーっと地元特産品などが並びます

キャンプ用品以外の物販も見ていきましょう。野菜などは少なめでしたが、地元の特産品は豊富に並びます。地元農家で採れた食材を使った商品は、いろいろと欲しくなってしまいます。

調査員O

蓬莱泉(日本酒)がつくった米粉のフィットチーネも気になりました…

トマトジュースを実際に飲み比べてみた!

その中で、小さな頃はトマトをおやつにしていた調査員Oが選んだのは、トマトジュースです。標高600〜750mに位置するつぐ高原は、昼夜の寒暖差が大きく甘みと酸味が凝縮された味の濃いトマトが収穫できるそう。

そのトマトを使ったトマトジュースなら、飲んでみないわけにはいきません。購入したのは、以下の2つ。

  1. 夏の涼風とまとじゅーす(小)(220円/税込)
  2. 高原フルーツトマトジュース 天狗のアメ玉(1750円/税込)

夏の涼風とまとじゅーす(小)(220円/税込)

市販のトマトジュースよりも、オレンジっぽくさらりとした液体です。味は、トマト独特の風味がしっかりと感じられ、甘みはほとんどなく程よい酸味のジュース。原材料トマトのみで食塩など入っていないのですが、飲みやすい!

高原フルーツトマトジュース 天狗のアメ玉(1750円/税込)

トマトの果肉がうっすら沈殿しているので、まずはよく振りましょう。市販のトマトジュースよりも、きれいな赤にどろっと感の強い液体です。

一口目に、「甘い!」と声が出るほど甘い。その後に、トマト独特の風味がほのかに香り、軽やかな酸味がやってきます。こちらも食塩不使用、トマトのみの味です。

ちなみにつぐ高原の山には、昔から天狗が棲むといわれていたため「天狗」の名前を冠しているのでしょう。

調査員O

どちらも買って満足できる味でした!トマト大好きなわたしは、やっぱり天狗のアメ玉を推します!!

つぐ高原グリーンパーク 基本情報

  • 住所/愛知県北設楽郡設楽町津具字東山2-156
  • 営業時間/9:00〜17:00
  • 定休日/7〜9月:無休、10〜6月:木曜日
  • トイレ/男子6・女子6(多目的トイレあり)
  • 授乳室/なし
  • 無線LAN/あり
  • EV充電/あり
  • 無料休憩所/あり
  • お土産・売店/あり、売店営業(4〜11月)
  • レストラン/なし

奥三河道の駅③えごま愛を感じる五平餅が美味しい「アグリステーションなぐら(設楽町)」

屋外にも椅子テーブルがたくさん

茶臼山高原道路を通り、天狗棚をすすっと通過し、山のくねくね道を走ること25分。開けた場所に出たと思ったら、目の前に「アグリステーションなぐら」が現れました。

愛知県最高峰の茶臼山への入り口(標高622m)にあり、冷涼な気候が育む野菜を使った郷土料理や地域資源が魅力の道の駅です。付近は田園が広がっており、晴れていたらきっとのどかな雰囲気が楽しめたのでしょう。

夕暮れ近づく山里の道の駅、駐車して調査開始です!

アグリステーションなぐらの設備など

駐車場横にトイレ・情報コーナーの小さな建物があり、レストラン・売店のある建物がその奥にあります。

なかなか興味深いライナップでした

情報コーナーには、ご自由にお持ちくださいと本が置かれていました。気になる本があったら、持って帰るのもありです。

情報コーナーには道の駅スタンプがあります

あぐりステーションなぐらは2023年4月にリニューアルしたところなので、店内はとてもきれい!木の香りが残り、気持ちよく過ごすことができます。

「アグリ食堂」でエゴマ愛あふれる名倉グルメを食す

写真付きメニューでわかりやすい
木目調であたたかな雰囲気

正面入口左手すぐに、地元のお母さんたちが切り盛りするアグリ食堂があります。

調査員O

農林水産省 第2回地場もん国民大賞・銅賞に選ばれたことのある五平餅や、地元で採れるエゴマを使ったグルメを提供しています。

古くからエゴマの栽培を盛んに行っている設楽町では、郷土食としてエゴマを使った料理が親しまれてきました。近年、「えごま油」が高い健康効果があると注目を集めているだけに、エゴマグルメ、とっても気になります!

エゴマだれ五平餅(350円/税込)

エゴマだれ五平餅のタレは、五平餅以外のメニューのドレッシングなどにも流用するなどしているこだわりの味

特別にエゴマだれを試食させてもらいました

持ち帰りで食べる場合は、冷めていても美味しいですが、温めるとなおいっそうおいしくいただけます。

調査員O

醤油ベースのたれは、エゴマを炒っているので香ばしく甘辛。濃厚な味わいで、もっちりぎゅっとしたお米との相性抜群でした!

「ピーナッツ五平餅」も人気の一品

調査員O

五平餅は5本以上お持ち帰りする場合は、持ち帰り用箱(100円)を購入しましょう。
チケットを購入後に、食堂内カウンターで五平餅を持ち帰る旨を伝えるとパックに入れてもらえます。

えごまソフト(350円/税込)

エゴマのツブツブが見えますか?

五平餅も美味しいですが、やっぱり道の駅の醍醐味といえば、ご当地のソフトクリームです!!

アグリステーションなぐらに来たら食べたい名物、「えごまソフト」もいただきました。

調査員F

食べてみるとびっくり!ソフトに味負けすることなく、醤油のような濃厚なコクがあるえごまがじわりと口いっぱいに広がります。あとひく美味しさでペロリと食べられてしまいます。

素朴でぬくもりある雰囲気が魅力の「アグリ食堂」。働いているお母さんとおしゃべりを楽しみながら、ほっこりしたお茶の時間を過ごすことができました。

「農産物コーナー」地元野菜は、ここでもトマト!

ルネッサンストマトは売り切れ

農産物コーナーでまず目を引いたのは、トマト!ここにもトマトがありました。奥三河の山々に囲まれて育った高原野菜は名倉名物なんですね。

調査員O

名倉地区で生まれ、甘さと酸味のバランスが取れ味の濃さで人気のルネッサンストマトは、残念ながら完売。

それでもトマトが食べたい調査員は、「ミニトマト」と「シンディースイート」という2種類のトマトを購入しました。

果たしてどっちが美味しいのか

ミニトマト(150円/税込)

見た目と大きさは、街中でも売っているミニトマトと変わりありませんが、飴玉のように小さくてころっとした見た目は可愛く見えてきます。

食べてみるとプチっと音がするほど、しっかりした皮の下にはジューシーな果肉。甘味と酸味のバランスがよく、生のまま食べるサラダなどに合いそうな味でした。

シンディースイート(300円/税込)

中玉のトマトは、一般的なミニトマトよりワンサイズ大きめ。皮は柔らかく、果肉は先のミニトマトよりもジューシー!酸味が少し強めに感じられ、生でも美味しいのですが煮込み料理に使うとより美味しくいただけそうでした。

「特産品コーナー」農山村の加工品や木工品が楽しめる

特産品コーナーでは、美味しい農産物を活用した加工品が購入できます。オリジナル商品もあって目移りしてしまいます。

木工品や炭も、山間部の道の駅を感じる木工エリア

野菜や加工食品の他に、木工品や木炭といった山里ならではの商品が並ぶエリアも。そこにいるだけで森の中にいるような気分になります。

金山寺みそ(550円/税込)

人気の「金山寺みそ」をお土産に購入

これを求めてやってくるお客さんも多いという、アグリステーションなぐらの「金山寺みそ」。これは買わずにいられませんでした!

調査員F

金山寺とは、古くから奥三河地域に伝わる「食べるみそ」。塩漬けした野菜を塩抜きして、麦麹と合わせて発酵させた保存食で、とっても健康にもいい保存食なんです。

アグリステーションなぐらで購入できる金山寺は、地元のお母さん「とみちゃん」が作る「とみちゃんの金山寺」。具が大きいものと小さいものがあり、今回は具が小さいほうを購入しました。

さっそく帰宅してご飯にかけてみると、これひとつで立派なおかずになるほど美味しい!

味噌とはいえどもしっかりとごろごろ食感が残っており、ちょうどいい塩加減でご飯がすすみます。大きめであれば、お漬物のようにしてお茶漬けなどもよく合いそうです。皆さんも何に一番あうか、試してみてください!

アグリステーションなぐら 基本情報

  • 住所/愛知県北設楽郡設楽町西納庫字森田32
  • 営業時間/3〜11月8:00〜17:00、12〜2月9:00〜16:30
  • 定休日/月曜(祝日の場合は翌日)
  • トイレ/男子7・女子7(多目的トイレあり)
  • 授乳室/なし
  • 無線LAN/あり
  • EV充電/あり
  • 無料休憩所/あり
  • お土産・売店/あり
  • レストラン/あり(アグリ食堂)

結論:奥三河は一面の緑だけでない、人のあたたかさに触れられるエリア!

調査の途中で立ち寄った「天狗棚」
  • 所要時間:4時間
  • 移動距離:約50km

1日がかりのおでかけでしたが、とても充実した時間を過ごすことができました。

今回訪れた道の駅では、とにかく人が良いということとグルメがどれもうまい、ということに尽きました。話す人、話す人すべてがあたたかな笑顔で、地元への愛情深く一生懸命に特産品のことや地域のことを教えてくれました。

そうした気持ちから生まれたグルメは、素朴で懐かしく、そしてしっかりと美味しかったです。

調査員O

一面の緑を走り抜けてきましたが、緑だけじゃない奥深い魅力に気づくことができました!奥三河は、緑だけじゃない!!

寒い時期でも、農山村の人とグルメの温かみがじんと沁みる奥三河最深部の道の駅。みなさんも、ぜひ訪れみてくださいね。

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