ヒコーキの町・豊山町にある「あいち航空ミュージアム」。国内の航空機産業の歴史や飛行機のしくみが学べる国内でも有数の航空機のミュージアムです。

本格的な職業体験や航空機の実機の展示も楽しめることから、県内外から飛行機ファンが集まります。

日本で唯一、現行のブルーインパルスが常設展示されている施設(※1)としても、注目されています。

今回は、あいち航空ミュージアムの楽しみ方とおすすめポイントをお伝えします!

(※1)自衛隊施設以外の一般施設

目次

何故、豊山町がヒコーキの町なのか?

豊山町は小さな町の中に、多くの航空関連施設が立地しています。

実は豊山町は、愛知県で最も小さい町。その小さな町面積の3分の1が愛知県の玄関口の1つ「県営名古屋空港」で占められています。

その他に、航空機の組立や修理、飛行試験などを行う「三菱重工名古屋航空宇宙システム製作所小牧南工場」、宇宙航空研究開発機構「JAXA」の研究拠点、神明公園内にある航空史料館「航空館boon」など、さまざまな航空関連施設が立地しています。

今回ご紹介する「あいち航空ミュージアム」は、2023年に開館6周年を迎えました。

あいち航空ミュージアムとは

「航空機産業の情報発信」「航空機産業をベースとした産業観光の強化」「次代の航空機産業を担う人材育成の推進」を目的とし、愛知県が設置した航空ミュージアムです。

旧名古屋空港の国際線ターミナルを改装したエアポートウォーク名古屋に隣接してつくられています。詳細はこの後レポートしますが、航空機の実機の展示をはじめ、見どころや楽しみポイントが多数あります!

あいち航空ミュージアム詳細

  • 【住所】〒480-0202 愛知県西春日井郡豊山町豊場 (県営名古屋空港内)
  • 【開館時間】10:00-17:00(入場は16:30まで)
  • 【休館日】毎週火曜日・水曜日(祝日の場合は翌日)臨時休館あり/詳細はホームページでご覧ください。
  • 【入館料】一般:1000円/高校・大学生:800円/小・中学生:500円
    ⇒2024年3月31日まで個人料金が割引されています。
    適応後:一般:800円/高校・大学生:640円/小・中学生:400円

開館時間及び休館日については2024年4月以降変更となる場合があるため、あいち航空ミュージアムの公式ホームページでご確認ください。

あいち航空ミュージアムへのアクセス・行き方

あいち航空ミュージアムへは、バスが便利です。車の場合、県営名古屋空港の駐車場(有料)に車を駐車することになりますが、土日や連休はすぐ駐車場がいっぱいになります。バスがおすすめです!

名古屋駅から(あおい交通バス)

  • 【乗り場】名古屋駅前(ミッドランドスクエア前)
  • 【料金】700円
  • 【所要時間】約25分
  • 【詳細】https://aoi-komaki.jp/

JR勝川駅から(あおい交通バス)

  • 【乗り場】JR勝川駅前(北口側)
  • 【料金】300円
  • 【所要時間】約30分
  • 【詳細】https://aoi-komaki.jp/

名鉄西春駅から(名鉄バス)

あいち航空ミュージアム設備

  • ロッカー
  • 障がい者用トイレ(4箇所)
  • 授乳室
  • おむつ交換台
  • ベビーカー貸出(3台)
  • 車椅子貸出(3台)

その他、障がい者用駐車場が無料で用意されています。(2台分)

あいち航空ミュージアムは再入場可能!

あいち航空ミュージアムは、再入場が可能です。例えばランチにエアポートウォーク名古屋へ行って、また戻って楽しむことができます。

エアポートウォーク名古屋内の一部ショップ、レストランでは、あいち航空ミュージアムの入場券を持っていけばお得に利用することができるようです。「そらとく」のサービス名であいち航空ミュージアムの公式ホームページに案内があるので、ぜひご覧ください!

愛知県手帳を持っていくと特典がある!

あいち航空ミュージアムは、愛知県手帳持参でオリジナル缶バッジがもらえます!(2024年3月31日まで)

愛知県手帳(三河木綿カバーバージョン)

あいち航空ミュージアムの展示の魅力!

ここからはあいち航空ミュージアムの魅力をたっぷりお届けします!

ロックウェル・コマンダー112があいち航空ミュージアムの入口付近に展示されています。

あいち航空ミュージアムは、2017年にできたばかり。建物もとてもキレイで洗練されています。

エアポートウォーク名古屋内の連絡通路からも行けます。「はじまりの道」と称されたこの連絡通路では、世界で初めて飛行に成功した飛行機「ライトフライヤー号」のトリックアートがお出迎え。写真がキレイに撮影できるポイントの案内があるので、そちらに立って撮影してみてくださいね。

受付のフロアでさっそく飛行機がお出迎え!

受付スペースに入ると、日本エアシステム(JAS)のMD-90のモデルプレーンに目を奪われました。2013年に引退したこの飛行機の塗装は、黒澤明監督が「7人の侍のように活躍できるように」とデザインしたそうです。もちろん、モデルプレーンは7機あります!

飛行機に乗らなくてもわくわくの飛行機旅へ!

カウンターで入場券……いえ、搭乗券を購入すると、一緒にパンフレットと飛行機のカードがもらえます。種類ランダムのこの飛行機のカードですが、すぐ必要になるので、取り出しやすいようにしてくださいね!

DEPARTURES GATE(出発ゲート)の文字がワクワク 飛行機に乗らなくても今から空の旅が楽しめます。

搭乗券のQRコードをスキャンして入場します。フライト直前のようなワクワクで、一気にテンションが上がります。

吹き抜け構造で体験できる、どこにもない飛行機空間

1階から天井まで吹き抜けになっています。1階は航空機(実機、実物大模型)の展示です。ワクワクが止まりません。

調査員A

思わず柵にかじりついてしまいそうになりました。

調査員O

早く下に降りたい!という気持ちを抑えて、2階も満喫しましょう。2階も見ごたえがたっぷりあります。

入場して最初に迎えてくれるのは、レオナルド・ダ・ヴィンチのヘリコプターです。

ライト兄弟が歴史的快挙を成し遂げる前に動力飛行のアイデアをスケッチしたのが、レオナルド・ダ・ヴィンチ。こちらは、そのスケッチを模型にしたものです。彼は航空史上を語る上で、なくてはならない存在と言われています。航空機を発明したのは「ライト兄弟か、レオナルド・ダ・ヴィンチか」といった議論も度々目にしますよね。

1/25スケールで見る日本の名機100選

日本の航空史に歴史を残した名機・100機がすべて1/25スケールの超精密模型で展示されています。時代の変化、技術の進化もよくわかります。

すべて1/25スケールなので、それぞれの大きさの違いもわかりやすいです。

傍らの壁には「航空史年表」があり、日本と世界の航空史が一緒に学べるようになっています。

「航空史年表」と模型を照らし合わせながら見ることで、素材の変化や複葉機から単葉機への移行など航空機の変遷をたどることができます。歴史や航空機産業の成り立ちを知ることで、ミュージアム内の展示をより興味をもって学ぶことができます。超精密模型も含めて、じっくりご覧ください。

ランダムで配布されたカードはここでも楽しめる

受付で入場券と一緒に渡されたカード、ありますよね?早速ここで出番です!

実はこのカード、名機100選のコーナーの超精密模型がカードになっており、この100機の中からランダムでもらえるんです。自分のもらったカードと超精密模型を見比べて写真を撮ってみました。

調査員A

推しの飛行機やヘリコプターが出来たら大変です。

調査員O

コレクション欲が刺激されてしまう。

学びがたくさん!映像や体験、工作で航空機産業をもっと身近に

2階には、他にもオリエンテーションシアターと、サイエンスラボがあります。

オリエンテーションシアターは、3Dシアターです。

小さな映画館のようになっており、そこで「県営名古屋空港の仕事」「愛知県の航空機産業の歴史」を大画面で学べます。

調査員は「愛知県の航空機産業の歴史」を観ましたが、愛知県が関わってきた航空機産業がよくわかり、お子さんにもわかりやすい内容になっています。

サイエンスラボ

隣はサイエンスラボ。飛行機に関わる工作体験や実験を通して航空機が飛ぶしくみを楽しく学ぶことができます。この日は小学校の体験学習が行われていました。サイエンスラボのワークショップ参加は、未就学児から中学生までが対象で、受付で申込みが必須です。

2階には、その他にカフェも併設されてます。館内では、飲食はできないので必要ならここで休憩をとりましょう。

調査隊は、あとからのお楽しみにして、1階へ向かいます。

ほとんどが実機!名機がそろう圧巻の展示

手前は警視庁で使用された大型ヘリコプター EH101(おおぞら)

1階のメインとなるのは、やっぱり航空機の展示!

YS-11

名古屋空港で初飛行を飾った国産旅客機・YS-11をはじめ、警視庁で輸送、救助に活用された大型ヘリコプターEH101(おぞら)など、さまざまな名機が並びます。

YS-11は、先ほどご紹介した名機100機の超精密模型の中にも存在しています。ぜひ、模型と実機を見比べてくださいね。

EH101(おおぞら)は、機内に入ることができます。

救助に使われるだけあって、窓が丸くでっぱっており、顔を突き出して見下ろせるようになっているなど、さまざまな工夫や特徴があります。

また、映画「永遠の0」で使用された零戦の実物大模型の展示もありました。

零戦の実物大模型

上から操縦席を観ることも可能です。

タラップがあるので、そこから見下ろせます。

あいち航空ミュージアムでは、零戦プラモデルも販売されています!

調査員A

なんとこちら、あいち航空ミュージアムオリジナルのプラモデルだそうです~!

ミュージアムショップで販売中です!

自分で色付けすることもできるそうです!ここでしか購入できないので、記念の購入もおすすめです。

現行のブルーインパルスが常時展示されているのはここだけ

自衛隊以外の施設で、現行のブルーインパルス(T-4)が常設展示されているのは、あいち航空ミュージアムだけです。

こんなに近くで見られるなんて、貴重ですよ!

調査員A

ブルーインパルスは、広報活動をメインとする、航空自衛隊に所属する曲技飛行隊の愛称です。機体、というよりは隊全体を総称する固有名詞ですね。

調査員O

ちなみに、ブルーインパルスは1番機から6番機が存在し、それぞれで飛行位置、役割が異なります。

調査員A

わたしの推しは5番機です。

調査員O

推しとかあるんですか!?

調査員A

あります。グッズにも数字が振ってあったりしますよ。

調査員が必死にガチャガチャで獲得したアクリルスタンドとショップで購入したキーホルダー

調査員A

パイロット個人を推す方もいれば、役割が決まっているので号機で推す人もいます。

飛行のサイエンス!さまざまなコンテンツ

航空機をたっぷり堪能した後は、飛行の知見を深めましょう。

フライングボックス

精測進入レーダー(※2)がデザインモデルのフライングボックス。ここは、大画面スクリーンと動く座席で臨場感のある飛行体験ができます。時間の関係でフライングボックスは体験できませんでしたが、あいち航空ミュージアムの中でも人気のコンテンツです。

遊びに行った際には、ぜひ体験してくださいね。

(※2)最終進入する航空機を滑走路に誘導するためのレーダー装置のこと

飛行の教室

忍者の可愛いキャラクターが、飛行機の飛ぶしくみとエンジンの内部構造のことを教えてくれます。最後に忍者の「宝物」を見せてくれます。お楽しみに!

飛行の解剖図鑑

飛行機の内部や、エンジン、タイヤなど、リアル飛行機図鑑。

見どころは直径2.8m、全長4.9mの大型エンジン実物大模型!見ごたえ十分です!メモを持っている方もいらっしゃいました。

職業体験は超本格的!整備士とパイロットの体験ができる!

あいち航空ミュージアムでは、職業体験も超本格的にできます。

整備士体験

整備士体験コーナー

実際に整備士が使用する工具を用いて、整備体験を行います。

整備士体験に用いるヘリコプターもあります。

整備士体験では、ヘリコプターの構造についての説明もしてくれます。自分の目でヘリコプターの不具合を確認し体験に入る本格的なものです。

パイロットシミュレーター体験

今回、調査員が体験したのはこちらです。展示でも見たYS-11を本格的に操縦できます。教官が操縦のアドバイスをしてくれますよ!

こちらのパイロットシミュレーターでは、五つ星チャレンジを実施中です。最高評価(五つ星)を獲得すれば、あいち航空ミュージアム特製ウィングマークバッジと、認定証がもらえます。

調査員は残念ながら星4……。

2つのコースがあり、ノーマルモードの最高評価でシルバーパイロット、エキスパートモードの最高評価でゴールドパイロットの称号が与えられます。難易度が異なりますが、エキスパートモードは基本的な操縦方法を理解していないと最高評価はゲットできません。

実際に称号を獲った方のチェキが飾ってありますが、「これだけしかいないの!?」と驚く程の少人数。特にゴールドは少ないです。それだけ難しいということですが、体験してみれば納得の難易度。

職業体験詳細

整備士体験

  • 【対象】誰でも可能(小学生以下は中学生以上の付き添いが必須)
  • 【予約】受付にて予約
  • 【実施日】土・日・祝のみ

パイロット体験

  • 【対象】誰でも可能(小学校3年生以下は保護者の付き添いが必須)
  • 【予約】受付にて予約
  • 【実施日】平日1日6回、土日祝1日11回/ 毎時間各20分(1回5組まで/1組最大5人まで)

同時予約ができません。1つの体験が終わった後に、再度受付で予約ができるシステムです。詳細は公式ホームページの一般来場者向けプログラムページをご覧ください。

展望デッキで本物の飛行機が飛び立つ瞬間が見れる!

あいち航空ミュージアムの見どころの1つ、展望デッキ。

ここでは県営名古屋空港の滑走路が見学できます。展望デッキと滑走路の距離は約300メートル。これだけ滑走路に近い展望デッキは、全国でも珍しいそうです。

展望デッキやエレベーター内に、飛行機のダイヤが貼ってあります。時間に合わせて行ってくださいね!

出発時刻は、飛行機が動きはじめる時間と教えていただきました。なので出発時刻とは、文字通り飛行機が動きはじめる時間を指します。その時間にはデッキで待機するようにしましょうね!

県営名古屋空港に就航しているフジドリームエアラインズ(FDA)のカラフルな旅客機や、航空自衛隊の航空機、警察や消防のヘリコプターなどさまざまな航空機の離着陸が見られる、全国的にも珍しい空港です。

写真や動画は自由に撮影可能ですが、空港の格納庫の撮影は保安上の観点から全面禁止。しっかりと守って撮影しましょう。

この日、飛び立っていくFDAを2機、見守りました。鮮やかな緑の機体と、青空、緑の芝に映えるワインレッドの機体。手を振ると、副機長が振り返してくれることもあるとのこと。

調査員A

実際に振り返してもらった興奮で一瞬仕事を忘れました。

カフェで飛行機メニューを楽しみながら見ることも

遊びに行った日がたまたま雨で、デッキに上がれなかった……という方、ご安心ください。2階のカフェ MOF Café(モフカフェ)でも、滑走路の様子を見ることができます。

非日常感を味わいたい方は、カウンターに座ってくださいね。

今回は、ブルーインパルスオリジナルメニューをいただきました!フードメニューもありますよ!

限定品も!あいち航空ミュージアムのお土産

最後は、ミュージアムショップです。出口を出たすぐのところにあります。ショップ内には飛行機グッズ、そしてブルーインパルスグッズがたくさん!

お財布の紐もうっかり緩くなりそうです。時期的にカレンダーが発売している時期で、ボーイング、ブルーインパルス、ANA、JALなどのカレンダーが並んでいました。

無事にブルーインパルスのカレンダーが買えました。これで2024年は楽しく過ごせることが確定!

他にもお子さんが喜ぶ飛行機ボックスに入った個包装のクランチチョコレートや、ブルーインパルスの本格的グッズなどが並んでいます。大人気のブルーインパルストミカ、そして前述した、あいち航空ミュージアムでしか買えない零戦1/72スケール模型もおすすめです。

ミュージアムショップで購入したブルーインパルスのトミカ

なお、ミュージアムショップは入館しなくてもお買い物ができます!関連グッズを買いに、気軽に立ち寄れますね……!

たくさん散らばる飛行機コンセプト

お手洗いのピクトグラムはCAとパイロットがモチーフ

入口が搭乗ゲートのように工夫されていたり、ふとした場所にある休憩スペースの椅子が飛行機のシートだったり、お手洗いのピクトグラムがパイロットとCAだったり……。エレベーター内の案内も、飛行機の窓の形と空のテクスチャです。

細かい工夫が素晴らしい施設で、どこを歩いていても、感動があります。

お手洗いの奥の個室にも仕掛けが……こちらは撮影してきましたが、ぜひ行って見て、体験(?)してきてください。

あいち航空ミュージアムへ行こう

あいち航空ミュージアムには、こちらでご紹介した以外にもたくさんの魅力があります。

飛行機・ヘリコプターの魅力や技術だけではなく、愛知県の航空機産業への寄与、歴史、そして学びの体験を通じて、空への憧れがグッと強くなります。

航空機産業を支えてきた人たちの汗と涙が、この先の未来にも報われることを祈りつつ、1人でも多くの子どもたちが空への憧れをもってくれますようにと願うばかりです。

もちろん大人も楽しめます。デートやお友達同士のお出かけにもおすすめ。ぜひ遊びに行ってみてください!